11月27日（月）、政治経済学部のキャリア研究Iでは、住友電気工業株式会社の人材開発部部長、國井美和先生をお招きして実学講座を実施いたしました。テーマは「住友電工と経営戦略としてのダイバーシティの推進」です。

住友電工グループは「南蛮吹き」と呼ばれる戦国時代の銅精錬技術をルーツとし、1897年創業の伝統を誇ります。世界40カ国に400の拠点を構え、28万9,191人を抱える同社のグローバルな発展を支えるのに不可欠な経営戦略が人材のダイバーシティ&インクルージョンの推進であると冒頭でご紹介いただきました。

　國井先生の解説によると、同質性の高い組織はコミュニケーションのコストが低く効率的ではあるものの、環境変化への対応が困難で中長期的な成長が見込めません。これに対し、人種・民族・国籍・宗教・年齢・性別・性自認・性的指向など属性が多様な人材は、環境の不確実性が高まる時代の企業には不可欠です。なぜなら、それぞれの能力、経験、スキルの組み合わせが新しいアイディアや付加価値の創造につながるからです。
属性の異なる集団をまとめる環境整備や組織風土の醸成はインクルージョン（包含）と呼ばれますが、それを達成するには、お互いにアンコンシャス・バイアス（無意識の偏見）の打破を通じて人との違いを受け入れ、価値観をアップデートする必要があると提唱されました。実際に隣の席の学生との違いを互いに聞き出す実践を通じて理解を深めました。