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コンピュータのUIの研究を通して、
快適な操作体験を追求

阿部 哲也講師


理工学部 情報科学専攻
研究テーマ

誰もが迷わず操作でき、
親しみやすいUIの研究

学生時代から、UI(ユーザーインターフェース)の研究に取り組んできた阿部講師。スマートフォンやタブレットなどに加え、VRやARといった仮想・拡張現実環境で、誰もが直感的にコンピュータを操作できる仕組みの開発に携わっています。便利で親しみやすいコンピュータの操作環境の実現を目指して、研究に注力。同時に、研究室では学生が主体的にテーマを設定し、アイデア出しから実装、評価まで一貫して経験できる環境を提供しています。

人とコンピュータの関わり方を探る
UI研究の最前線

阿部講師が取り組んでいるのは、HCI(Human-Computer Interaction)、つまり人とコンピュータの相互作用に関する研究です。特に、コンピュータをどのように設計すれば使いやすくなるかに関心を持っています。
「具体的には、UI(ユーザーインターフェース)に着目して研究を行っています。UIとは、コンピュータを操作する画面やボタン、メニューなど、ユーザーが製品やサービスを使用する際の接点全般のこと。UIの改善を通じて、より使いやすいコンピュータの実現を目指しています。

阿部講師は、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレット、スマートウォッチなど、日常生活で使われるさまざまなデバイスを研究対象としています。学生時代には、磁石付きのペンを使って、スマートフォンの画面を直接触らなくても文字入力ができる仕組みを開発しました。ペンの先端についた小さな磁石の働きにより、机の上でペンを動かすだけでスマートフォンの画面に文字が表示されるというものです。
「スマートフォンの画面は限られたサイズのため、大きな指で操作するのはストレスがかかります。これを解決するために、スマートフォンに内蔵された磁気センサーで磁石の位置を推定し、机の上のペンの動きをスマートフォン上で再現する方法を開発しました。金属製のパーツがついた机では磁気センサーの反応が弱くなることもありますが、磁石付きのタッチペンがあれば、ほとんどの種類のスマートフォンで利用可能です」

さらに最近では、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)といった新しいデバイス向けのUIの研究にも取り組んでいます。VRは、専用のゴーグルをかけて、あたかも自分が別世界に入り込んだかのような体験ができる技術。いっぽうARは、現実の風景に情報やキャラクターを重ねて表示する技術です。
「VRやARでは、現実にはない空間でさまざまな体験ができます。例えば、手の動きだけで画面を操作したり、立体的に地図やデータを確認したりすることが可能。そのため、どうすれば直感的に操作できるか、どのようにすればユーザーにとってわかりやすく便利になるかを考えることがとても重要になるでしょう」

迷うことなくコンピュータを使える
操作環境を目指す

阿部講師にとって、この研究のおもしろさはテーマが身近なところにあふれているところだといいます。普段使っているスマートフォンやタブレットで感じる不便さや操作の不自然さを感じたことが、研究の出発点になることもあるそうです。
「実際、学生時代に磁石付きの特別なペンを使って、スマートフォンの画面外で文字を入力できる仕組みを開発した際は、『もう少し広い画面で操作できれば便利なのに…』という想いが研究の原動力になりました」

阿部講師の研究室では、学生自身がテーマを決めて研究を進めます。自分の「好き」を活かし、主体的に研究を進められるのが魅力だと言えるでしょう。学生たちは3年生の後期からゼミに参加し、まずはUIの基礎やツールの使い方を学びます。その後、自分の興味や関心に沿ったテーマを設定し、研究を進めていくスタイルです。
「例えば、VR上でAIのエージェントと対話するシステムの研究を手がけている学生がいます。ChatGPTのようなAIは、文字で質問すると文字で返答し、有料サービスでは音声での応答にも対応。その学生はこの技術をVR空間に応用し、AIと自然にコミュニケーションが取れる仕組みの構築を目指しています」

阿部講師の目標は、誰もが迷うことなくコンピュータを使える、便利で親しみやすい操作環境の構築です。その実現に向けて、日々試行錯誤を重ねながら研究を進めているところ。デバイスの形や使い方が多様化する現代では、画面や操作方法もそれに応じて最適化が求められます。さらに、ハードウェアの進化にともなってUIも絶えず改善していく必要があり、阿部講師の研究はまさに終わりなき挑戦です。
「新しいデバイスが次々と登場するため、UIの研究にはゴールがありません。そんななか、誰もが直感的に操作できる、使いやすい環境づくりを目指しています。特にVRやAR向けのUIは、いまだ発展途上にあり、新しいデバイスに最適化されたUIの設計・開発が今後の重要な課題です。私の研究では、こうした課題の解決を通して、現実世界でも仮想空間でも、より自然で快適な操作体験を実現していきます」

「新しいデバイスを開発したい」
という学生も大歓迎

学生の主体性を重視する阿部講師の研究室では、アイデア出しからテーマ設定、実装、評価まで、一連のプロセスにトータルで携わることができます。特に、実際にモノづくりを行いながら成果を確認・改善するプロセスに重点を置いているため、実践的なスキルを身につけることができるでしょう。
「現在、私のゼミに所属する学生の多くはソフトウェアを手がけていますが、ハードウェアに興味がある学生には、そういった挑戦もできる環境を提供したいと思っています。ハードウェアの開発とは、新しいデバイスを生み出すこと。難易度は高いものの、最大限のサポートを行いたいと考えています」

阿部講師は、学生たちが自主的にやりたいことに挑む、理工学部の「ものづくり工房」の活動支援も行っています。
「現在は、『セキュリティのコンテストに出たい』『ネットワークに関するスキルを身につけたい』といった学生たちをサポート。例えば、学生たちが企画・開発した電車の時刻表や遅延情報、食堂のメニューなどが表示された電光掲示板は、実際に学内に導入されました。学生自身がアイデアを出し、目標に向かって努力できる点が、『ものづくり工房』の大きな魅力だと言えるでしょう」

阿部講師によると、スピーディーに成長する学生は、自ら課題を見つけ、主体的に改善策を考えて実行しているとか。まさに「ものづくり工房」の学生たちがそのいい例で、1~2年生の段階から新しいことに積極的に挑戦し、試行錯誤を繰り返すことで、自分を着実に成長させているとのことです。
「学生たちには、まず自分が興味あることに挑戦してほしいと思います。そのなかでより深めたいテーマを見つけ出し、じっくりと研究に打ち込んでもらいたい。そして、研究を進めるなかで課題を発見し、解決策を試して改善する経験が、将来の技術力や思考力の土台になります。大和大学の学生たちには、ぜひ世界のトップランナーを目指して頑張ってほしいです」


プロフィール

阿部 哲也講師

理工学部 情報科学専攻

筑波大学や同大学院でUIの研究に携わる。卒業後は大手電子部品・電気機器メーカーにて、AIや機械学習の研究開発に従事。その後フリーランスを経て、2022年1月に学内のITインフラを支える技術職員として大和大学へ。2024年度に、講師へキャリアチェンジを果たす。

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