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ジャーナリズムの最前線に立ち、
世の中の出来事をわかりやすく社会へ伝える

佐々木 正明教授


社会学部 社会学科
研究テーマ

ロシアによるウクライナ侵攻や
オリンピック論、“エコテロリズム”について

社会学部社会学科の教授でありながら、現役のジャーナリストとしてメディア出演や執筆活動などを行っている佐々木教授。ロシアによるウクライナ侵攻や、オリンピックと戦争と平和、反捕鯨団体シー・シェパードに代表される“エコテロリズム”など、さまざまなテーマを追いかけています。佐々木教授のもとでは、“ジャーナリストのリアル”を学べるのが大きな特徴。学生たちは、実際の取材や執筆活動を通して、実践スキルを磨いています。

一次情報を収集し、
フラットな視点でわかりやすく解説

大手新聞社のモスクワ支局長として、5年ほどロシアで過ごした経験がある佐々木教授。ロシアによるウクライナ侵攻がスタートしてから、解説者としてテレビのニュース番組に頻繁に出演しています。テレビのほか、ラジオやインターネットでも、ウクライナ情勢について積極的に情報を発信し、教授でありながら、現役のジャーナリストとして活躍しています。
「私の場合、ジャーナリストが教鞭を執っている、といったほうがふさわしいかもしれません。取材や独自の方法を通じて一次情報を収集し、できるだけフラットな視点でわかりやすく解説しています」

佐々木教授の主な研究テーマは、ロシア軍のウクライナ侵略をふまえた国際社会の流れの分析。アメリカでトランプ大統領が出現したことは、21世紀の歴史が大きく塗り替わる可能性があると言います。
「ウクライナ軍に、最も多くの武器を提供している国はアメリカです。ところが、トランプ氏は、アメリカがヨーロッパ諸国以上にウクライナ支援を行っていることに難色を示しています。つまり、トランプ大統領がウクライナ支援の停止に踏み切れば、ロシアにとって有利な形で戦争が終わる、というシナリオが浮かび上がるでしょう

2025年3月、ウクライナ国内の様子(佐々木正明撮影)

また、オリンピック論についても研究を行っている佐々木教授。2021年に開催された東京大会で金メダルを獲得したロシアの有名選手たちが、ウクライナ侵攻を推し進める軍・治安機関で働いているそうです。そこで教授は、「ロシアはオリンピックの精神に反して、選手のカリスマ性を利用してウクライナ侵攻の正当性を強調している」と指摘。そういった情報をWebサイトの記事に掲載することで、ロシアが行っているスポーツの政治的利用を広く社会に発信しています。
「そのほか、シー・シェパードの反捕鯨運動に代表される“エコテロリズム”も、新聞記者時代から追い続けているテーマのひとつ。私が興味を抱き始めた2006年頃は、まだ“エコテロリズム”についての情報があまりありませんでした。そこで、ブログなどで少しずつ情報を発信するように。シー・シェパードの設立者であるポール・ワトソン氏にも5回ほどインタビューを行いました。今、世の中で起こっていることを、いかにわかりやすく人々に伝えるか。それこそが、ジャーナリストの使命であると考えています」

事件や裁判、スポーツの現場に
実際に足を運ぶことで、多くの学びを得られる

教授でありながら、現役のジャーナリストとしても活躍している佐々木教授。多忙な日々のなか、今でも精力的に取材活動を行っています。
取材で社会問題化している現場に入るたびに、自分の視点が現実とかけ離れていることを実感してきました。また、記憶にも記録にも残る数々の光景を目にし、それを通じて感じた心のざわめきを、いつも大切にしています」

座学よりも実学のほうが多くの学びを得られると考える佐々木教授は、学生たちをよくキャンパスの外へと連れ出しています。
「社会に大きなインパクトを与えた事件現場に行くこともあれば、裁判を傍聴しに行くこともあります。メディアがどのように事件を追いかけ、情報を収集し、報道しているのかについて、肌で学ぶことができるでしょう」

事件報道だけでなく、スポーツ報道の現場に学生たちを連れていくこともあるそうです。これまで、学生たちは野球・バレーボール・バスケットボールなどの試合会場に足を運びました。
「そのほか、学生たちは大和大学で開催された大相撲の冬巡業や『大阪国際女子マラソン』のボランティアスタッフを経験。報道する側だけでなく、運営側の目線も意識することで、新たな視点で物事を捉えられると考えています」

ゼミでは、全員が自分の好きなテーマで
一冊の本を執筆

佐々木教授は、自身のジャーナリストとしての活動に、積極的に学生を参加させています。例えば、テレビのニュース番組で解説をするときは、学生をテレビ局のスタジオまで連れていくのだとか。また、本を執筆する際には、アルバイトとしてリサーチャーや校閲の仕事を任せています。
「学生たちには、『野球で例えるなら、私はベンチにいる監督やコーチではなく、フィールドにいる選手である』と伝えています。『現役選手』である私と一緒に行動することで、メディアやジャーナリズムの実態に触れてもらいたいと考えているのです」

また、佐々木教授は学生たちに取材をする機会を提供することもあります。元サッカー日本代表のメンバーや強豪校のコーチ、Jリーグのコーチとして活躍し、現在は大和大学サッカー部をけん引する、山野孝義監督にも協力してもらったそうです。
山野監督と言えば、日本サッカー界のレジェンドの一人。学生時代に、そういった方の取材を経験できる機会はそうそうないでしょう。ほかにも、パラリンピックの監督や元選手にインタビューするなど、学生たちはすでにジャーナリストとしての一歩を踏み出しています

佐々木教授のゼミでは、最終的に全員が一冊の本を執筆。自分の好きなテーマで、企画を考え、取材をし、執筆を行い、書籍としてまとめあげます。
「企画から執筆まで、自分が主体的に関われる貴重な機会。『学祭の作り方』をはじめ、実際に出版すれば売れるのでは?と思える内容のものがたくさんあります。大学時代に本を一冊書き上げたという経験は自信になるほか、将来ジャーナリストとして活躍する際に大きなアピールポイントになるでしょう」


プロフィール

佐々木 正明 教授

社会学部 社会学科

大阪外国語大学(現・大阪大学)ロシア語学科卒業。新卒で大手新聞社に入社し、モスクワ支局長やリオデジャネイロ支局長などとして活躍。2021年、大和大学社会学部の教授に就任する。学生を指導すると同時に、ジャーナリストとしても精力的に活動している。

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