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宇宙空間でモノづくりができる
3Dプリンタの開発に挑戦

山脇正雄 教授


理工学部 電気電子工学専攻
研究テーマ

エレクトロメカシステム技術の研究・開発

山脇教授は、電子デバイスを用いて機械などを駆動・制御するエレクトロメカシステム技術のプロ。その経験を活かして、3Dプリンタによる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の製造技術や、人の動きをセンサで測定・解析するシステムの研究・開発を手がけています。宇宙空間で太陽光発電所をつくるという、スケールの大きなプロジェクトにも参画。山脇教授の研究室でなら、他ではなかなかできない経験ができるでしょう。

宇宙空間に太陽光発電所を
つくるための3Dプリンタを開発

宇宙空間に巨大な太陽電池を配置し、太陽エネルギーを電気に変換して地球で利用する。山脇教授は、そんな夢のような技術の研究・開発に携わっています。具体的には、宇宙空間に太陽光発電所をつくるための3Dプリンタの開発とその製造方法の検討。宇宙で構造物をつくれるようになると、大幅なコスト削減を実現でき、さらに今後さまざまな用途に応用できるといいます。
「長年にわたって、私は3Dプリンタによる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の製造技術の研究・開発を手がけてきました。炭素繊維強化プラスチック(CFRP)とは、いわゆるカーボンのこと。軽くて強いという特性から、近年は航空機や自動車などの素材として多く用いられるようになってきています」

日本を代表する宇宙開発機関や民間企業とコラボレーションし、壮大なプロジェクトを進めているところ。まだ基礎研究レベルの段階ですが、宇宙でのモノづくりの実現を目指しています。
宇宙空間は重力がないので、地球上よりもモノづくりがしやすいと考えています。炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使って構造物をつくる際には熱処理が必要になるのですが、宇宙空間は温度が高いと150℃くらいになるので、そのエネルギーを活用できないかなど、さまざまな検討を行っているところです」

山脇教授がまず目指しているのは、3Dプリンタによる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の製造技術を確立させること。そして、ゆくゆくは宇宙空間で太陽光発電所をつくるという、夢のようなプロジェクトを実現させることです。
宇宙空間の太陽光発電所では、原発1基分の発電量を賄うことが可能になります。ただし、実現にはまだまだ時間がかかるでしょう。けれども、『3Dプリンタ×宇宙』をテーマに研究・開発を行っているところは少ないので、とても挑戦のしがいがあります」

健康管理やリハビリに役立つ
“バイオセンシング”にも挑戦

山脇教授の研究のベースは、センサやマイコンといった電子デバイスを用いた測定・制御システムの研究・開発。センサ信号を用いてモータなどを制御するシステムの応用として、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の3Dプリンティング技術の開発にチャレンジしているのです。電子デバイスを用いた測定・制御システムは、さまざまなものに応用が可能。バイオセンシングの分野も、そのひとつです。
「私の研究室では、人の動きを測定するシステムの開発にチャレンジしているところ。現在は、学生たちと一緒に呼吸の信号や筋肉の活動状況を確認する筋電図を取る活動を行っています」

スマートフォンのセンサで、心拍・呼吸を測定。そのデータをストレス管理に応用するなど、人の動きをセンサで測定・解析するシステムは、人々の健康管理やリハビリに活かすことができるそうです。
「例えば、高齢者の呼吸の状態から、『腹式呼吸ができていない』『呼吸機能が低下している』といったことがわかります。それをもとに、健康維持のための取り組みにつなげていくことができるでしょう」

バイオセンシング技術の研究・開発を行うにあたって心強い味方がいる、と語る山脇教授。それは、看護師や保健師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などを目指す学生たちが学ぶ保健医療学部です。
「アイデアはいろいろあるものの、私たちは人の身体の何をどう測ればいいのかがわかりません。そこで、保健医療学部の先生方とコラボレショーンしながら、いろいろなことに挑戦中。保健医療学部で必要な装置の開発も、共同で行っています」

原動力は『人がやらないことにチャレンジしたい』という想い

山脇教授にとって今のやりがいは、必要とされるシステムを実際にカタチにし、その効果を確認すること。単に電気・電子分野ではなく、さまざまな分野との連携によって、これまでできなかったことができるようになることに、おもしろみを感じているそうです。
「モチベーションの源は、『人がやらないことにチャレンジしたい』という想い。私の研究室では、他ではなかなかできない経験ができるせいか、学生たちもとても楽しそうです。研究室では3Dプリンタを使って、学生たちに実験器具などをつくる機会を提供。また、宇宙開発機関や民間企業と共同研究を実施するための取り組みにも関わることができます

理工学部では、研究以外でも「ものづくり工房」という独自の活動を実施。3DCADや3Dプリンタ、レーザー加工機、マイコンなどに触れ、モノづくりのおもしろさを体感できる環境が整っています。
「組込みソフトウェア技術教育をテーマとした、『ETロボコン』にも積極的に参加。プログラミングやシステムのモデリングの学習を通して、組込み技術の基本を習得し、スキルアップを図ってもらいたいと考えています」

山脇教授の研究室には、3Dプリンタや電子デバイスを用いた測定・制御システムなど、自身が手がけた装置がズラリと並んでいます。そういった装置に触れながら、オープンな雰囲気で話しやすい山脇先生とコミュニケーションを重ねることで、学生たちはモノづくりのおもしろさを存分に味わうことができます。
「学生たちには、モノづくりへ興味を持ち、世の中に貢献できる人材へと成長してもらいたい。大和大学では大学院への進学もサポートしているので、さらに学びを深めたいと思ったら、世界トップクラスの研究を手がけている大学院への進学を目指すこともできるでしょう」

プロフィール

山脇正雄 教授

理工学部 電気電子工学専攻

大阪大学大学院工学研究科博士前期課程修了後、大手電機メーカに入社。半導体分野でアナログデバイス、高速デバイス、システムLSIの設計・開発・製造などに携わる。その後、マイコンで世界トップクラスのシェアを誇るルネサスエレクトロニクスを経て、呉工業高等専門学校電気情報工学分野の教授へ。2020年4月から現職。
https://researchmap.jp/yamawakimasao

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