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最先端のネットワークや
IoT技術でITの未来に挑む

松井 進教授


理工学部 情報科学専攻
研究テーマ

アドホックネットワーク技術や
IoT技術の活用

松井教授の研究室では、「いつでも、どこでも、誰とでも」ではなく、「今、ここで、私に」といった、より“個のニーズ”に対応できるITサービスの実現に向けた研究を行っています。通信インフラがない環境でもネットワークを構築できるアドホックネットワーク技術や、さまざまなモノとネットワークを結びつけるIoT技術を活用。ドローンやAIなどと連携させることで、研究内容の幅は無限に広がっています。

通信インフラがない環境でも
快適なネットワークを構築

無線基地局やアクセスポイントなどの通信インフラを介さなくても、端末間で無線ネットワークを構築できるアドホックネットワーク技術。進化するIoT社会において、フレキシブルにネットワーク環境を構築できる、この技術へのニーズが高まりを見せています。
「アドホックネットワーク技術の研究は、1990年頃からアメリカで軍事目的のためにスタートしました。複数の移動端末によって自律的に構成されるネットワークのことで、各端末はデータ中継を行う機能を担っているため、戦車や兵士の通信に最適。たとえ一部の端末が攻撃を受けても、通信ネットワークが途絶えることはありません」。

松井教授は、日立製作所のシステム開発研究所に在籍していた頃から、アドホックネットワーク技術の可能性を追求してきました。交差点周辺のクルマ同士で情報交換を行い、衝突を回避するシステムの開発にも携わってきました。
「アドホックネットワーク技術の特徴は、直接無線が届かない端末同士であっても、他の端末が中継することで通信が可能になるということ。しかも、中継端末が移動してしまった場合でも、他の端末を中継するルートに自動的に切り替え、通信を継続できるのです」。

最先端のアドホックネットワーク技術を駆使し、さまざまな研究を手がけているのが松井教授の研究室。アドホックネットワークを構築できる、研究開発用の自律移動ロボット「Kobuki」が複数台導入されています。
「『Kobuki』というのは、お掃除機能をなくしたお掃除ロボのようなもの。パソコンを使って制御でき、3Dカメラやドローンなどとも組み合わせて活用することが可能です」。

アドホックネットワーク技術や
IoT技術で、ITの未来を変える

松井教授は現在、人が立ち入ることができない場所での映像監視システムの構築について研究を行っています。遠隔で制御できる自律移動ロボットにカメラを搭載し、現場の映像を遠隔オペレータ画面に配信するというもの。この技術は、災害現場などの状況を把握する際などに役立てることができます。
無線通信インフラを確保するのが難しい被災地でも、オペレータと自律移動ロボット間をアドホックネットワークで接続することで快適な通信環境を構築することが可能。オペレータと自律移動ロボット間の距離が離れてしまっても、複数の中継ロボットを用いてアドホックネットワークを維持することができます」。

簡易設置中継機を用いた、アドホックネットワーク技術の研究にも注力。無線通信インフラやAC電源が確保できない場所であっても、バッテリー駆動の簡易設置中継機を組み合わせることで、アドホックネットワークを構築することができるそうです。

さまざまなモノとネットワークを結びつける、IoT技術の研究にも携わっている松井教授。IoT向けのネットワーク制御方式やIoTアプリケーションなどを研究対象としており、学生たちと一緒に研究室のIoT化を実現させて、スマートラボシステムを構築したこともあります。
「学生証を使って研究室の鍵を開けられるほか、自動で照明やエアコンの電源を入れたり、パソコンの電源管理ができたりするというもの。また、窓の開閉をセンサで検知し、外出時に閉め忘れを知らせてくれる機能もあります」。

現実世界をIT化することで、
“個のニーズ”に応えていく

松井教授によると、かつてネットワークやITシステムの目標は「いつでも、どこでも、誰とでも」情報のやりとりができる状態にすることでした。ところが、アドホックネットワーク技術やIoTシステムを活用することで、ユーザーが必要なときに、必要な場所で、必要な情報を入手できるようになるといいます。
「必要な情報は人によって違いますし、時間や場所などの状況によっても異なってきます。そのようななか、人をネットワークやITシステムに合わせるのではなく、現実世界をIT化することで、より“個のニーズ”に応えていける情報化社会を実現していけるでしょう」。

松井教授の研究室の魅力は、最先端技術を駆使し、世の中のさまざまなニーズに応える研究に携われること。アドホックネットワーク技術やIoT技術にドローンやAIなどを組み合わせることで、可能性はさらに広がります。
「私の研究室では、パソコン上でのシミュレーションではなく、実際にさまざまな機器を使ってシステムを構築していきます。モノづくりの醍醐味を存分に味わうことができるほか、目の前でシステムが想定通りに動いたときには、大きな達成感を味わうことができるでしょう」。

また、大和大学の理工学部は電気電子・機械・建築といった他の専攻との垣根がないのが特徴。積極的にコラボレーションすることで知見を広め、多くの学びを得ることができます。
「大和大学の理工学部で学ぶことで、スペシャリストでありながらゼネラリストとしての一面も併せ持つ、“T型人材”の素地を身につけることができるでしょう。ここで培ったハイブリッド人材としての基礎力は、社会人になったときに大きな武器になるはずです」。

プロフィール

松井 進 教授

理工学部 情報科学専攻

大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻修了。その後は日立製作所システム開発研究所で30年以上にわり、最先端の通信ネットワーク技術の開発に携わる。2012年に大阪工業大学情報科学部情報ネットワーク学科教授となり、2020年からは大和大学で教鞭を執る。

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