本学社会学部の天野健作教授が昨年出版した著書『アジアの水覇権 中国・インドの資源紛争を解く』(博論社)が、令和7年度水文・水資源学会の「学術出版賞」を受賞しました。9月18日に秋田で表彰式があり、天野教授に賞状と賞金が授与されました。
天野教授の著書は、気候変動などにより急激に深刻化している水資源をめぐってアジアで争いが生じているため、いわゆる「水戦争」を防止するための国際協調・制度設計を描写しています。21世紀は「水の時代」ともいわれ、著書はメディアでも反響を呼び、新聞記事でも紹介されました。
学術出版賞は、水文・水資源学の発展と社会への普及に大きく貢献した書籍の著者に授与されてきました。今回の選定理由について「水資源をめぐる国際関係の精緻な分析、広範なデータと事例を基にした分析の説得力、そして未来への展望を提示する実践的な価値の3点において優れている」と評価されました。
天野教授は「およそ7年間かけて調査し考察を続けた結果をまとめた拙著に対し、賞を頂けたことは望外の喜びです。気候変動は今後、ますます激しく私たちの生活を脅かしていくでしょう。その中で『水』は代替できない貴重な資源です。今ある豊かな生活をどのように守っていくか、これからも思索を続けていきたいと思います」と話していました。
