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文化・芸術のクリエイティブな力で、
都市や地域の活性化を図る

立花 晃准教授


社会学部 社会学科 現代社会コース
研究テーマ

アートをマネジメントし、
社会に実装していく方法

文化・芸術の力で魅力的な街づくりを目指すと同時に、多くの人に文化芸術に触れてもらうための政策や仕組みの構築について研究を行っている立花准教授。金属工芸作家としてジュエリーやオブジェ作品を手がけるアーティストとしての視点と、研究者としての視点を活かし、クリエイティブをキーワードにした地域活性化の方法を探っています。

創造産業を発展させ、
人々が文化・芸術に触れる機会を増やす

自らもジュエリーなどのアーティストとして活躍する立花准教授の主な研究テーマは、創造都市論。アートをマネジメントし、社会に“実装”していく方法について研究しています。
創造都市論とは、創造的な人材をいかに惹きつけ、それらをネットワーキングし、都市や地域を活性化する理論です。具体的には、地域創造性開発指標(RCDI)というものを用いて、各都市の創造性を見える化。その比較をもとに、それぞれの都市や地域でどのような人々が創造活動を行っているのか、どのような施設が中心となっているのか、彼らを後押しする政策は何かといったことについて研究しています」。

立花准教授の研究の目的は、都市や地域の創造産業を発展させると同時に、人々が文化・芸術に触れる機会を増やすこと。その実現に向けて、さまざまな地域のモノづくりの現場に足を運び、フィールドワークを進めています。
「その際に役立つのが、私自身が研究者であり、金属工芸作家であるということ。創造活動の現場に入った際に、同じクリエイターだからこそ深入りでき、理解できる点がたくさんあります。モノづくりという共通言語があることで、『兄ちゃんよくわかってるやん、もうちょっと見ていくか』と、作家さんとの距離が縮まることが少なくありません」。

その強みを武器に、研究の枠を超えて行政側と作家さん側の橋渡し役を担うこともある立花准教授。自身の地元である姫路市の文化政策を考える場で、それぞれの立場や価値観を考慮しながら、アドバイザー的な役割を果たしました。
「行政の方と作家さんとでは、住んでいる世界がまったく異なります。コミュニケーションがスムーズに図れるよう、両者の声に耳を傾けて落としどころを見つけていくことが、二足のわらじでキャリアを積んできた私の役目だと言えるでしょう」。

大都市とは異なる、
「日本六古窯」ならではの創造性について研究

近年、立花准教授は日本遺産に認定されている「日本六古窯」に着目。焼物組合を中心に、大都市とは異なる瀬戸・越前・常滑・信楽・丹波・備前といった地域ならではの創造性について研究を深めています。
「例えば、丹波では比較的リーズナブルな植木鉢ばかりを手がけている作家さんを取材しました。アート性の高い高付加価値の陶磁器ではなく、庶民的なアイテムにこだわり続けたことで、売上げは絶好調だといいます。また、丹波の焼物組合のトップは若手ということもあって、HPをオシャレに刷新したり、現場のデジタル化を進めたりと、新しいことに積極的にチャレンジ。その結果、丹波の街全体が活気づいている印象を受けました」。

丹波の作家さんや焼物組合の取り組みは、「日本六古窯」のほかの地域にも横展開できる可能性があるでしょう。
「私が目指しているのは、それぞれの地域の創造性における違いと共通点の実態を明らかにすることです。好事例や成功事例をたくさん集め、それをヒントに『日本六古窯』のパフォーマンスを最大化できる政策提言や仕掛けづくりを行っていきたいと考えています」。

最終的に立花准教授が目指しているのは、都市や地域の創造性を高め、人々が出会い、交流できる場にしていくこと。そのためには、やはり現場を知ることが大切だといいます。
「私の講義では、積極的に芸術家や職人さん、舞台の裏方など、クリエイティブ活動に携わる人々に話を聞きに行きます。そのほか、制作現場や美術館、文化政策を手がける行政の専門部署に足を運ぶなど、アクティブラーニングを重視。現場から得られる智と、学問としての専門知識をバランスよく、双方向から深められるのが大きな魅力だと言えるでしょう」。

プロフィール

立花 晃 准教授

社会学部 社会学科 現代社会コース

大阪芸術大学大学院芸術研究科博士課程前期課程芸術制作専攻修了。その後、兵庫県立大学大学院で環境人間学について学ぶ。2021年、大和大学の准教授に就任。教鞭をとるかたわら、自らも金属工芸作家として、ジュエリーやオブジェ作品を手がけている。

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