6月21日(月)、元総務省事務次官で、現在は一般財団法人地方自治研究機構会長の嶋津 昭先生による講義が行われました。
講義テーマは、『これからの「皆さんが目指す社会」と「期待される役割」』でした。
最初に、嶋津先生が組織委員会事務総長を務められたラグビーワールドカップ2019の概要とそれが遺した成果についての紹介がありました。
次に、これからの日本社会において、特に人口減少問題が深刻であり、出生数の減少が続いて労働力人口が減少すれば、経済的にもまた社会保障上も持続可能性が困難となり、地方の活力はさらに低下して日本全体が衰退するおそれがある、との指摘がありました。
人口減少局面における地域のあり方として、「連携中枢都市圏」という考え方を示されました。これは、中核性を備える圏域における市町村連携とコンパクト化・ネットワーク化により圏域としての活力を維持するというもので、市町村合併に代わる新たな手立てとして期待されています。
また、人口減少にブレーキをかけ、地方の活力をアップする取り組みとして地方回帰支援を取り上げられ、地域おこし協力隊などによる人材面での支援が強化されていること、また「ふるさと回帰支援センター」における地方へのUJIターン支援の取り組みについてのご紹介がありました。なお、最近では同センターへ相談に来る移住希望者の中心は若い世代へと変わってきているとのことです。
最後に学生に対して、これからの時代を生きるうえで、「歴史に学び」、「将来を見据え」「改革の志を持つこと」を大事にしてほしいとの言葉を送られ、講義を締めくくられました。