政治経済学部「キャリア研究Ⅱ」において、本学特任教授で元衆議院議員山崎拓先生の特別講義「国際関係論的視点に立つわが国の外交・安保政策概論」(全9回)の第8回講義が実施されました。
今回のテーマは、「中近東・アラブ・北アフリカ諸国の軍事情勢と日本のエネルギー安保」です。
日本は、石油を99%、ガスを98%海外に依存しており、そのうち石油は85%が中東地域からの輸入であるなど、エネルギーの分野での中東依存度が極めて高いことをデータで示されたうえで、中東情勢が日本に与える影響は依然として大きく、同地域との関係強化が極めて重要である、とのご指摘がありました。
なお、この地域には対立・抗争の火種が数多く存在しており、特にイスラエルとパレスチナの紛争については、現在も厳しい対立が続くその歴史的な背景についての解説がありました。
また、イランの核開発問題をめぐるアメリカとイランの対立にも触れられ、アメリカの核合意離脱の際の安倍前総理のイラン訪問や、タンカー襲撃をきっかけとしたホルムズ海峡付近への海上自衛隊の派遣など、近年における当該地域と日本との関わりについてもお話いただきました。
中国が進める「一帯一路構想」や安倍前総理が提唱した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」という考え方のターミナルが、いずれも中東地域であることから、今後も引き続きその動向に注目していく必要がある、とのご示唆がありました。
講義後は、学生からの質問にも丁寧にお答えいただきました。