これまで多くの企業の方々に「働くということ」について具体的にお話を伺ってきましたが、今回はとくに個性的な新聞社での仕事について、霜田聖氏にご自身の経験に裏打ちされた貴重なストーリーや教訓を教えていただくことができました。
霜田氏のキャリアは、1990年に読売新聞大阪本社に入社されて以来、主として運動部記者としての蓄積を重ねてこられた輝かしい30年間。まずお話いただいたのは、氏がどのようにその運動部記者の仕事に就くことができたのか、そこに辿りつくためにどのような工夫をされたのかという、学生たちにはとびきり心に刺さってくるお話でした。入念に入試対策と情報収集をされただけでなく、視野を広くしてあえて他の業種の面接も受けてみるといいよ、というアドバイスに、思わず頷いている学生たちもいました。
そのうえで、「記者として働く喜び」を活き活きと説かれる「霜田節」とでもいう調子に、聴講生たちはすっかり引き込まれておりました。有名人に会える、自由度が高い、好きなことができる、そして人と会って疑似体験するのが仕事になる、という鮮やかなイメージを与えられて、記者職は、大和大学政治経済学部の学生にとって、ますます憧れの職場となったようです。
それでも、最後には、新聞を作るという社会的仕事を大きな枠組みのなかで支えている「広告」「販売」「事業」などの他のジョブについてもお話しくださり、「新聞社への就職」という高峰に向かって挑戦するための登り口はさまざまなのだという優しい導きもありました。学生たちからの質問も要を得た適切なものが続き、実に充実したキャリア研究となった授業でした。
