保健医療学部 理学療法学専攻3年生を対象に、「内部・循環障害理学療法学演習」の一環として、一次救命処置(Basic Life Support:BLS)に関する講義および実技演習を実施しました。
BLSは、心肺停止や呼吸停止などの緊急時に行う初期対応であり、心拍再開や後遺症の軽減に大きく関与します。救急車が到着するまでの約8〜10分の間に、周囲の人が適切な処置を行えるかどうかで、救命率は大きく変化します。実際、心停止後に何も処置が行われなければ、1分ごとに救命率は約7〜10%低下すると報告されています。
このように、医療従事者のみならず、一般市民にとってもBLSの知識と技術は非常に重要です。適切な判断と勇気ある行動が、かけがえのない命を救うことにつながります。
理学療法士は、疾患や障害を持つ方に対して日常的に運動療法を提供する職種であり、患者の急変時にも冷静かつ迅速に対応できる力が求められます。本講義では、BLSの基本手順(意識と呼吸の確認、胸骨圧迫、AEDの使用)を学び、訓練用マネキンとAEDトレーナーを用いた実技演習および試験を実施しました。
学生たちは演習を通して、医療職としての責任と命の重みをあらためて実感する機会となりました。
