中学時代はソフトテニス部に所属。練習に明け暮れる毎日だったため、高校時代はあえて部活に入らずに学業に注力。映画が好きなことから映像メディアを、人の心に寄り添いたかったため心理学を、社会問題に興味があったことで現代社会学を学びたいと考え、すべてをフォローできる大和大学社会学部に進学した。
私立大阪学院大学高等学校 出身
嗜好品として愛され、先進国を中心にたくさんの人に飲まれているコーヒー。主要な産地は中南米やアフリカ、東南アジアで、過去に他国の植民地だった国がほとんどです。そのため、低賃金・低収入で働かされていたケースが多く、手間暇かけて高品質なコーヒーを育てても、それに見合った収入が得られないという現状があります。
大和大学のSDG研究推進室では、イベントなどでコーヒースタンドを出店するコーヒーユニット「珈琲倶楽部Noir」を運営。高い品質と取引の公平性が担保された「スペシャルティーコーヒー」のみを採用しています。和歌山県立日高高校中津分校のみなさんの協力のもと、欠けたり折れたりして販売できない紀州備長炭を使って、コーヒーを焙煎。無駄をなくすとともに社会課題の解決を目指しながら、香り豊かなコーヒーをイベントなどで販売しています。
私がユニットに参加したきっかけは、大学の講義で環境問題やそれにさらされている人々の写真、映像を見て、「自分にも何かできることはないか」と思ったこと。世界中で愛されているコーヒーを使って、地球のためにできることをしようと思い、行動に移しました。さらに、「やりたいことをやらずに後悔はしたくない」と考え、Noirのマネージャーに挑戦することにしました。
Noirはこの2年間で、30以上のイベントに参加しました。「今回もお願いします」とリピートくださるケースも多く、高評価を実感。なかでも印象深いのは、韓国でのイベントに出店したことです。海外出店は初めてだったので、準備する荷物や言葉の壁など、解決しなければいけない課題が山積み。Noirの活動について伝えようと、準備した韓国語で懸命に説明した際も、現地の方々の優しさに救われました。環境や貧困の問題は、世界全体で解決を目指さなければならないもの。Noirでは、国内外の人を巻き込んでの活動を目指しています。
やりがいを感じるのは、私たちのコーヒーを飲んだ方に「おいしい」と言われたとき。豆の選定から焙煎までにはたくさんの人が関わり、一杯のコーヒーにはそれぞれの想いが詰まっています。イベント出店にも、多くの人々の協力と努力が隠れています。私たちの活動の目標は、「一杯のコーヒーに背景があること」を伝え、より多くの人に飲んでもらうことだと言えるでしょう。
コーヒーは嗜好品なので、ブランディングが非常に大切。ですから、「Noirはどんな組織なのか」をアピールすることが重要です。SNSなどを活用して、私たちの活動内容を発信していますが、なかなかフォロワーが増えないのが辛いところ。さらに発信力を磨き、より多くの人に知ってもらうことで、SDGsへの取り組みや大和大学の魅力を広めていきたいと思っています。
これまで多くのイベントに参加し、たくさんの人と出会ってきました。いろいろな世代の方とお話をすることで、自分の知らなかった世界や新しい考えに触れられたと思います。飲食を販売する際には、いろいろなルールをクリアしながら、お客さんに買ってもらうための工夫が必要不可欠。そういった苦労を学べたことで、日々の生活における視点も変わりました。
高校時代の私は、少しの失敗や予想外のトラブルにすぐ焦っていました。けれども今では、どんなときも冷静に問題に対処できます。また以前は、「相手にどう思われているのか」が気になって、人と話すことを避けがちでした。けれどもこの活動は、主体的に多くの人々と関わらなければいけません。積極的にさまざまな人々と交流を図ることで、その魅力や価値に気づけたことが、活動で得た一番の収穫かもしれません。
今後は社会問題の解決に、よりダイレクトに取り組んでいきたい。そのために、これまでに築き上げた人とのつながりや、身につけた知識や経験を活用したいと考えています。私はNoirのマネージャーとして、どういう仕組みをつくればメンバーが個々の得意を活かし、やりがいを持って活動できるかを考えてきました。こうした経験は、社会に出た後にもきっと役立つと思っています。
大きな一歩になりました